5: 空間データの構造と操作

公開

2024年5月15日

更新日

2024年8月5日

はじめに

空間データは、現実の地物の位置や形状を表すだけでなく、さまざまな属性データも持っていることを学びました。 今回は、この属性データと空間データを操作する代表的な方法をいくつか紹介します。

属性データの操作

属性データとは、空間データのうち、位置(座標)以外のデータのことを意味しますが、 ここでは、より意味を限定して、空間データに紐づいた統計データのことを属性データと呼ぶことにします。 sfバッケージを用いると、属性データを通常のデータフレームと同じように扱うことができます。 今回の演習を進めるうちに、その内容が、第2回の演習内容(dplyrによるデータフレーム操作)とほぼ同じであることに気がつくと思います。

属性データの演算

この演習では、国勢調査の小地域データを使います。 はじめに、佐賀市の小地域データをダウンロードしましょう。

国勢調査小地域データ:e-Statからのダウンロード

e-Statから国勢調査の小地域データをダウンロードし、地図に表示してみます。

小地域とは

小地域は、統計の分野においては、市区町村よりも小さな地域のことを指します。 町丁・字(あざ)等の別に人口や世帯数などを統計したものを、小地域統計と呼びます。

e-Statのウェブサイトをブラウザで開きます。

e-Stat 政府統計の総合窓口

[地図]をクリックします。

[>境界データダウンロード]をクリックします。

小地域をクリックします。

[国勢調査]をクリックします。

ここでは最新の統計である2020年を選びましょう。

「小地域(町丁・字等)(JGD2011)」をクリックします。

ここでは、座標系は「世界測地系緯度経度」、データ形式は「Shapefile」を選択します。

[都道府県で絞り込みはコチラ]をクリックし、都道府県のラジオボタンが並んだウィンドウが開いたら、[佐賀県]のラジオボタンをオンにし、[選択]をクリックします。

佐賀市の行にある[世界測地系緯度経度・Shapefile]と書かれたボタンをクリックすると、データのダウンロードが始まります。

ダウンロードが完了したら、フォルダを展開し、dataフォルダに移動しましょう(ダウンロード後のファイル展開の方法などは、前回と同じなので、ここでは説明を省略します)。

小地域データの操作:人口密度の計算

それでは、ダウンロードした国勢調査の小地域データを地図に表示してみましょう。

まず、使うパッケージをロードします。

library(tidyverse)
library(readxl)
library(sf)
library(mapview)

ダウンロードした小地域データを、sfパッケージのst_read関数を使って読み込みます。 読み込んだデータは、変数districtに代入することにします。

district <- st_read("data/A002005212020DDSWC41201-JGD2011/r2ka41201.shp")
Reading layer `r2ka41201' from data source 
  `/Users/kzktmr/Documents/LectureNotes/data/A002005212020DDSWC41201-JGD2011/r2ka41201.shp' 
  using driver `ESRI Shapefile'
Simple feature collection with 484 features and 29 fields
Geometry type: POLYGON
Dimension:     XY
Bounding box:  xmin: 130.1393 ymin: 33.14109 xmax: 130.3794 ymax: 33.48151
Geodetic CRS:  JGD2011

mapview関数を使って、地図に表示しましょう。

mapview(district)

これを見ると、佐賀市にはたくさんの小地域があることが分かります。 また、地図の中の小地域をクリックすると、たくさんのデータが格納されていることが分かります。 どのようなデータが入っているかは、定義書を見ると分かります。

定義書は、e-Statの先ほどの画面に入手するためのリンクがあります。 リンクをクリックして、定義書をダウンロードしてみましょう。

今回使った小地域データの定義書の内容は、このようになっています。 フィールド名とその説明が記述されています。 このフィールド名は、先ほどダウンロードしたデータの属性データの列名と一致しています。

dplyrパッケージのglimpse関数を使って、実際に属性データの中身を確認し、定義書の内容と照らし合わせてみましょう。

glimpse(district)
Rows: 484
Columns: 30
$ KEY_CODE   <chr> "41201001001", "41201001002", "41201001003", "41201002001",…
$ PREF       <chr> "41", "41", "41", "41", "41", "41", "41", "41", "41", "41",…
$ CITY       <chr> "201", "201", "201", "201", "201", "201", "201", "201", "20…
$ S_AREA     <chr> "001001", "001002", "001003", "002001", "002002", "002003",…
$ PREF_NAME  <chr> "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県",…
$ CITY_NAME  <chr> "佐賀市", "佐賀市", "佐賀市", "佐賀市", "佐賀市", "佐賀市",…
$ S_NAME     <chr> "駅前中央一丁目", "駅前中央二丁目", "駅前中央三丁目", "大財…
$ KIGO_E     <chr> NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA,…
$ HCODE      <int> 8101, 8101, 8101, 8101, 8101, 8101, 8101, 8101, 8101, 8101,…
$ AREA       <dbl> 147281.68, 108748.65, 144423.54, 74548.31, 137859.16, 78556…
$ PERIMETER  <dbl> 1528.456, 1371.930, 1875.425, 1150.161, 1900.060, 1455.806,…
$ R2KAxx     <int> 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, …
$ R2KAxx_ID  <int> 0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 1…
$ KIHON1     <chr> "0010", "0010", "0010", "0020", "0020", "0020", "0020", "00…
$ DUMMY1     <chr> "-", "-", "-", "-", "-", "-", "-", "-", "-", "-", "-", "-",…
$ KIHON2     <chr> "01", "02", "03", "01", "02", "03", "04", "05", "06", "01",…
$ KEYCODE1   <chr> "201001001", "201001002", "201001003", "201002001", "201002…
$ KEYCODE2   <chr> "201001001", "201001002", "201001003", "201002001", "201002…
$ AREA_MAX_F <chr> "M", "M", "M", "M", "M", "M", "M", "M", "M", "M", "M", "M",…
$ KIGO_D     <chr> NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA,…
$ N_KEN      <chr> NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA,…
$ N_CITY     <chr> NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA,…
$ KIGO_I     <chr> NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA, NA,…
$ KBSUM      <int> 16, 14, 19, 11, 10, 14, 6, 12, 12, 5, 10, 19, 9, 17, 11, 10…
$ JINKO      <dbl> 583, 1081, 832, 337, 797, 626, 549, 547, 1181, 131, 558, 10…
$ SETAI      <dbl> 378, 576, 432, 202, 413, 357, 307, 242, 528, 54, 259, 481, …
$ X_CODE     <dbl> 130.2978, 130.2995, 130.3041, 130.3027, 130.3083, 130.3031,…
$ Y_CODE     <dbl> 33.26336, 33.26637, 33.26694, 33.25728, 33.25828, 33.26060,…
$ KCODE1     <chr> "0010-01", "0010-02", "0010-03", "0020-01", "0020-02", "002…
$ geometry   <POLYGON [°]> POLYGON ((130.3001 33.26372..., POLYGON ((130.2981 …

一番下のgeometryが空間データ(ポリゴンデータ)です。

また、View関数を使うと、データフレームの内容を、スプレッドシートのような形でRStudioに表示して見ることもできます。

View(district)

このデータを使って「人口密度による塗り分け地図」を作ってみましょう。 面積のデータ(AREA)と人口のデータ(JINKO)があるので、これらを使うと人口密度を計算できそうです。 データフレームに新たに列を追加するために、dplyrパッケージのmutate関数を使います(第2回の講義資料を参照してください)。

以下のようにして、新たに人口密度のデータ列(density)を追加します。 人口(人)を面積(㎡)で割り、10,000を掛けることで、ヘクタール(ha)当たりの人口密度にしています。

district <- mutate(district, density = JINKO / AREA * 10000)

追加したdensityで地図を塗り分けるには、mapview関数のzcol引数に文字列densityを指定します。

mapview(district, zcol = "density")

塗り分け地図の色が明るいところほど人口密度が高いことを意味します。佐賀市の中で人口密度が高い地域は、市の中心部に集まっていることが一目瞭然になりました。

パイプ演算子

これ以降の演習では、パイプ演算子|>を使います。 パイプ演算子の使い方を、以下のデータフレームxを例に説明します。

x <- tibble(x = 1:10, y = letters[1:10])
head(x, 4)
# A tibble: 4 × 2
      x y    
  <int> <chr>
1     1 a    
2     2 b    
3     3 c    
4     4 d    

データフレームを操作するときに、例えばmutate関数を使う場合なら、これまでは

x <- mutate(x, z = x %% 2)

と書いていました。 これからは、これと同じ操作を、

x <- x |> mutate(z = x %% 2)

と書きます。 パイプ演算子|>は、左辺の出力を右辺の関数の第1引数に渡します。 つまり、x |> f()f(x)と同じです。 パイプ演算子を使うと、いくつもの処理を繋げて書くことができます。 「流れ作業」のように、処理結果を次々と別の関数に渡していくイメージです。

x |> mutate(z = x %% 2) |> filter(z == 1) |> head(2)
# A tibble: 2 × 3
      x y         z
  <int> <chr> <dbl>
1     1 a         1
2     3 c         1

パイプ演算子は、RStudioでは、Ctrl + Shift + Mで入力できます。

2種類のパイプ演算子

Rのパイプ演算子には、代表的なものとして、%>%|>の2つがあります。 %>%magrittrパッケージで定義されているもので、|>R組み込みの(追加パッケージが必要ない)演算子です。 実は、|>よりも%>%の方が歴史が古く、ウェブ記事などを検索すると、%>%を利用した説明の方がたくさん見つかります。 両者の使い方はほとんど同じなので、この講義では、|>を利用して説明します。

RStudioでは、デフォルトではCtrl + Shift + Mによって%>%が入力されます。 これを同じキー操作で|>を入力するように変更するには、以下の設定を変更する必要があります。

RStudioの[Tools]メニューから[Global Options…]を選択します(または、キーボードでCtrl + ,を入力します)。 Optionsウィンドウが開きますので、左側のパネルで上から2つ目の[Code]を選択します。 右側のパネルにある[Use native pipe operator, |> (Require R 4.1 +)]のチェックボックスをチェックし、右下の[OK]ボタンをクリックします。

部分集合の抽出

次に、人口密度がヘクタールあたり40人を超える地域だけを抜き出して、地図に表示してみます。 データフレームの列を条件によって抽出するには、dplyrパッケージのfilter関数を使います。

district |> 
  filter(density >= 40) |> 
  mapview(zcol = "density")

filter関数の使い方を見ると、パイプ演算子の意義がよく分かるのではないでしょうか。

属性データの結合

次の演習では、佐賀県オープンデータ「オープンデータマップ用データセット」を使って、 属性データの結合について説明します。 まず、必要なデータをダウンロードしましょう。

オープンデータマップ用データセットのダウンロード

上のリンクから、佐賀県オープンデータカタログサイトのオープンデータマップ用データセットのページを開いてください。

まず、[男女別人口総数及ひ世帯総数(市町村別)]をクリックし、次のページで[ダウンロード] をクリックします。

一つ前のページに戻って、今度は[ポリゴン(市町村別)]をクリックし、次のページで[ダウンロード]をクリックします。

ダウンロードフォルダに、410004saga.xlsxと410004saga.geojsonの2つのファイルがあるのを確認したら、この2つのファイルを、プロジェクト内のdataフォルダに移動しましょう。

空間データと属性データの結合

ダウンロードしたGeoJSONファイルを、sf::st_read関数で読み込みます。 変数名はsaga_mapとしておきます。

saga_map <- st_read("data/410004saga.geojson")
Reading layer `410004saga' from data source 
  `/Users/kzktmr/Documents/LectureNotes/data/410004saga.geojson' 
  using driver `GeoJSON'
Simple feature collection with 20 features and 4 fields
Geometry type: MULTIPOLYGON
Dimension:     XY
Bounding box:  xmin: 129.7368 ymin: 32.95054 xmax: 130.5424 ymax: 33.6189
Geodetic CRS:  WGS 84

属性データとしては、県名(KEN_NAME)、市郡名(GST_NAME)、町村名(CSS_NAME)、自治体コード(KEY_CODE)があることが分かります。

glimpse(saga_map)
Rows: 20
Columns: 5
$ KEN_NAME <chr> "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県", "…
$ GST_NAME <chr> "鹿島市", "唐津市", "神埼市", "杵島郡", "多久市", "東松浦郡",…
$ CSS_NAME <chr> NA, NA, NA, "江北町", NA, "玄海町", "上峰町", "有田町", NA, "…
$ KEY_CODE <chr> "412074", "412023", "412104", "414247", "412040", "413879", "…
$ geometry <MULTIPOLYGON [°]> MULTIPOLYGON (((130.1198 33..., MULTIPOLYGON (((…

次に、エクセルファイルを、read_excel関数を使って読み込みます。 その前に、library関数でreadxlパッケージをロードすることを忘れないようにしましょう。 読み込んだ内容を、変数saga_datに代入します。 変数の内容を、文字通り「チラッと見る」glimpse関数は、便利な関数です。 このファイルの中には、自治体コード(KEY_CODE)、人口総数、市区町村名、男性人口、女性人口、世帯総数のデータがあることが分かります。

saga_dat <- read_excel("data/410004saga.xlsx")
glimpse(saga_dat)
Rows: 20
Columns: 6
$ KEY_CODE <chr> "412015", "412023", "412031", "412040", "412058", "412066", "…
$ 人口総数 <dbl> 236372, 122785, 72902, 19749, 55238, 49062, 29684, 44259, 273…
$ 市区町村 <chr> "佐賀市", "唐津市", "鳥栖市", "多久市", "伊万里市", "武雄市",…
$ ` 男`   <dbl> 111453, 57547, 34799, 9146, 26395, 23178, 13920, 20823, 12667…
$ ` 女`   <dbl> 124919, 65238, 38103, 10603, 28843, 25884, 15764, 23436, 1466…
$ 世帯総数 <dbl> 93306, 43872, 27630, 6847, 19698, 16932, 10124, 14769, 9214, …

saga_mapとsaga_datを結合することを考えます。 両方の列にKEY_CODE(自治体コード)があるので、これをキーにして、2つのデータを結合できそうです。 このような操作には、left_join関数が使えます。 by引数で、どの列をキーにするかを指定することができます。

saga <- saga_map |> left_join(saga_dat, by = join_by(KEY_CODE))
glimpse(saga)
Rows: 20
Columns: 10
$ KEN_NAME <chr> "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県", "…
$ GST_NAME <chr> "鹿島市", "唐津市", "神埼市", "杵島郡", "多久市", "東松浦郡",…
$ CSS_NAME <chr> NA, NA, NA, "江北町", NA, "玄海町", "上峰町", "有田町", NA, "…
$ KEY_CODE <chr> "412074", "412023", "412104", "414247", "412040", "413879", "…
$ 人口総数 <dbl> 29684, 122785, 31842, 9583, 19749, 5902, 9283, 20148, 72902, …
$ 市区町村 <chr> "鹿島市", "唐津市", "神埼市", "江北町", "多久市", "玄海町", "…
$ ` 男`   <dbl> 13920, 57547, 15172, 4497, 9146, 3035, 4379, 9356, 34799, 111…
$ ` 女`   <dbl> 15764, 65238, 16670, 5086, 10603, 2867, 4904, 10792, 38103, 1…
$ 世帯総数 <dbl> 10124, 43872, 10913, 3225, 6847, 1918, 3260, 6900, 27630, 725…
$ geometry <MULTIPOLYGON [°]> MULTIPOLYGON (((130.1198 33..., MULTIPOLYGON (((…
ノート

by引数に与える列を指定するには、join_by関数を使います。しかしこれは、簡略化してjoin_by関数を使わないで済ますこともできます。 その場合、下のように、列名をダブルクォーテーションで囲んだ文字列としてby引数に与えます。

saga <- saga_map |> left_join(saga_dat, by = "KEY_CODE")

left_join関数を適用した新しいsaga変数を見ると、属性データとして、 2つのデータそれぞれに存在していたものが全て含まれていることが確認できます。 このようにして、すでにある空間データの属性データに、別のソースから持ってきたデータを結合することが可能です。

結合した属性データを使って、佐賀県市町の平均世帯人員(世帯あたりの平均人数)による塗り分け地図を作ってみましょう。

saga <- saga |> mutate(平均世帯人員 = round(人口総数 / 世帯総数, 2))
saga |> mapview(zcol = "平均世帯人員")

佐賀市や鳥栖市の平均世帯規模が小さいことが分かりますね。

属性データの集計

佐賀県の20市町は、下の図のように、5つのエリアに分類されるそうです。 そこで、先ほど読み込んだ人口や世帯数のデータを、エリアごとに集計してみましょう。

(出所)「サガスマイル」ウェブサイト

エリアごとにデータを集計するために、region.xlsxというファイルを作りましたので、以下のリンクからダウンロードして、dataフォルダに移動してください。

region.xlsx

dataフォルダに移動できたら、read_excel関数で読み込んでください。 変数regionに代入し、その中身を確認してください。

region <- read_excel("data/region.xlsx")
glimpse(region)
Rows: 20
Columns: 3
$ KEY_CODE <chr> "412015", "412023", "412031", "412040", "412058", "412066", "…
$ 市区町村 <chr> "佐賀市", "唐津市", "鳥栖市", "多久市", "伊万里市", "武雄市",…
$ 地区     <chr> "中部", "北西部", "東部", "中部", "西部", "南部", "南部", "中…

regionには、自治体コード(KEY_CODE)、市区町村名、地区名のデータ列があることが分かります。 属性データを集計するために、このregionを、sagaと結合します。 結合には、left_join関数を使います。

saga <- saga |> left_join(region, by = join_by(KEY_CODE, 市区町村))
glimpse(saga)
Rows: 20
Columns: 12
$ KEN_NAME     <chr> "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県…
$ GST_NAME     <chr> "鹿島市", "唐津市", "神埼市", "杵島郡", "多久市", "東松浦…
$ CSS_NAME     <chr> NA, NA, NA, "江北町", NA, "玄海町", "上峰町", "有田町", N…
$ KEY_CODE     <chr> "412074", "412023", "412104", "414247", "412040", "413879…
$ 人口総数     <dbl> 29684, 122785, 31842, 9583, 19749, 5902, 9283, 20148, 729…
$ 市区町村     <chr> "鹿島市", "唐津市", "神埼市", "江北町", "多久市", "玄海町…
$ ` 男`       <dbl> 13920, 57547, 15172, 4497, 9146, 3035, 4379, 9356, 34799,…
$ ` 女`       <dbl> 15764, 65238, 16670, 5086, 10603, 2867, 4904, 10792, 3810…
$ 世帯総数     <dbl> 10124, 43872, 10913, 3225, 6847, 1918, 3260, 6900, 27630,…
$ 平均世帯人員 <dbl> 2.93, 2.80, 2.92, 2.97, 2.88, 3.08, 2.85, 2.92, 2.64, 3.3…
$ 地区         <chr> "南部", "北西部", "東部", "南部", "中部", "北西部", "東部…
$ geometry     <MULTIPOLYGON [°]> MULTIPOLYGON (((130.1198 33..., MULTIPOLYGON…

このように、by引数には、複数の列を指定することもできます。

さて、データの集計には、group_by関数とsummarise関数を使います。 まず、group_by関数を使って、データを地区ごとのグループに分けます。

saga |> group_by(地区)
Simple feature collection with 20 features and 11 fields
Geometry type: MULTIPOLYGON
Dimension:     XY
Bounding box:  xmin: 129.7368 ymin: 32.95054 xmax: 130.5424 ymax: 33.6189
Geodetic CRS:  WGS 84
# A tibble: 20 × 12
# Groups:   地区 [5]
   KEN_NAME GST_NAME CSS_NAME  KEY_CODE 人口総数 市区町村 ` 男` ` 女` 世帯総数
   <chr>    <chr>    <chr>     <chr>       <dbl> <chr>     <dbl>  <dbl>    <dbl>
 1 佐賀県   鹿島市   <NA>      412074      29684 鹿島市    13920  15764    10124
 2 佐賀県   唐津市   <NA>      412023     122785 唐津市    57547  65238    43872
 3 佐賀県   神埼市   <NA>      412104      31842 神埼市    15172  16670    10913
 4 佐賀県   杵島郡   江北町    414247       9583 江北町     4497   5086     3225
 5 佐賀県   多久市   <NA>      412040      19749 多久市     9146  10603     6847
 6 佐賀県   東松浦郡 玄海町    413879       5902 玄海町     3035   2867     1918
 7 佐賀県   三養基郡 上峰町    413453       9283 上峰町     4379   4904     3260
 8 佐賀県   西松浦郡 有田町    414018      20148 有田町     9356  10792     6900
 9 佐賀県   鳥栖市   <NA>      412031      72902 鳥栖市    34799  38103    27630
10 佐賀県   杵島郡   白石町    414255      23941 白石町    11133  12808     7253
11 佐賀県   神埼郡   吉野ヶ里… 413275      16411 吉野ヶ…    8136   8275     5891
12 佐賀県   佐賀市   <NA>      412015     236372 佐賀市   111453 124919    93306
13 佐賀県   伊万里市 <NA>      412058      55238 伊万里市  26395  28843    19698
14 佐賀県   三養基郡 みやき町  413461      25278 みやき町  11969  13309     8638
15 佐賀県   武雄市   <NA>      412066      49062 武雄市    23178  25884    16932
16 佐賀県   杵島郡   大町町    414239       6777 大町町     3077   3700     2560
17 佐賀県   嬉野市   <NA>      412091      27336 嬉野市    12667  14669     9214
18 佐賀県   藤津郡   太良町    414417       8779 太良町     4125   4654     2838
19 佐賀県   小城市   <NA>      412082      44259 小城市    20823  23436    14769
20 佐賀県   三養基郡 基山町    413411      17501 基山町     8266   9235     6321
# ℹ 3 more variables: 平均世帯人員 <dbl>, 地区 <chr>,
#   geometry <MULTIPOLYGON [°]>

「地区」列によって、データが5つのグループに分けられたことが分かります。 このグループごとに様々な集計を行うのが、summarise関数です。 ここでは、sum関数を使って、グループごとの人口と世帯数の合計を計算してみます。

saga |> group_by(地区) |> 
  summarise(人口総数 = sum(人口総数), 世帯総数 = sum(世帯総数))
Simple feature collection with 5 features and 3 fields
Geometry type: GEOMETRY
Dimension:     XY
Bounding box:  xmin: 129.7368 ymin: 32.95054 xmax: 130.5424 ymax: 33.6189
Geodetic CRS:  WGS 84
# A tibble: 5 × 4
  地区   人口総数 世帯総数                                              geometry
  <chr>     <dbl>    <dbl>                                        <GEOMETRY [°]>
1 中部     300380   114922 POLYGON ((130.2464 33.20312, 130.2464 33.20334, 130.…
2 北西部   128687    45790 MULTIPOLYGON (((129.8567 33.40156, 129.8567 33.40154…
3 南部     155162    52146 MULTIPOLYGON (((130.0443 33.00421, 130.0443 33.0042,…
4 東部     173217    62653 POLYGON ((130.3513 33.25592, 130.3513 33.25626, 130.…
5 西部      75386    26598 POLYGON ((130.005 33.28075, 130.0064 33.28056, 130.0…

属性データが、地区名、人口総数、世帯総数だけになりました。 これは、グルーピングに利用した変数列と、summarise関数で計算した結果だけが残ったことを意味しています。 このように、summarise関数は、グループごとの変数群を行に持つような、新しいデータフレームを返します。 また、geometry列(ポリゴンデータ)も同時に集計されて、5つの地区を表すポリゴンが作られています。

summarise関数での集計に便利な関数

今回の例では、グルーピングによる集計をするために、合計を計算するsum関数を使用しました。 その他にも、グループごとの平均値を計算するmean関数や中央値を計算するmedian関数、 最小値を計算するmin関数や最大値を計算するmax関数、グループに含まれる要素の数を数えるn関数などが使えます。

このことを、地図で確認してみましょう。 集計した地区ごとの人口総数と世帯総数から、地区の平均世帯人員を計算し、図化します。

saga_region <- saga |> group_by(地区) |> 
  summarise(人口総数 = sum(人口総数), 世帯総数 = sum(世帯総数)) |> 
  mutate(平均世帯人員 = round(人口総数 / 世帯総数, 2))
mapview(saga_region, zcol = "平均世帯人員")

20市町のポリゴンが集計(合併)されて、5地区のポリゴンになっています。

空間データの操作

次に、空間データの簡単な操作について説明します。 操作といっても、ポリゴンデータの面積や重心の計算、ポイントデータ間の距離の計算をする簡単なものです。

面積計算

小地域統計の例では、属性データに面積のデータが入っていました。 しかし、使用するデータによっては、面積データが入っていないこともあり、 そのような場合には、自分でポリゴンの面積を計算する必要があります。 計算といっても、手作業で計算するわけではなく、st_area関数を使えば、簡単にポリゴンの面積が計算できます。

saga |> mutate(area = st_area(saga)) |>
  select(KEY_CODE, GST_NAME, area) |> arrange(KEY_CODE)
Simple feature collection with 20 features and 3 fields
Geometry type: MULTIPOLYGON
Dimension:     XY
Bounding box:  xmin: 129.7368 ymin: 32.95054 xmax: 130.5424 ymax: 33.6189
Geodetic CRS:  WGS 84
First 10 features:
   KEY_CODE GST_NAME            area                       geometry
1    412015   佐賀市 433116882 [m^2] MULTIPOLYGON (((130.2463 33...
2    412023   唐津市 487355593 [m^2] MULTIPOLYGON (((129.8567 33...
3    412031   鳥栖市  71427602 [m^2] MULTIPOLYGON (((130.4856 33...
4    412040   多久市  96716036 [m^2] MULTIPOLYGON (((130.1794 33...
5    412058 伊万里市 254036306 [m^2] MULTIPOLYGON (((130.0042 33...
6    412066   武雄市 195642398 [m^2] MULTIPOLYGON (((129.9764 33...
7    412074   鹿島市 111170438 [m^2] MULTIPOLYGON (((130.1198 33...
8    412082   小城市  95213231 [m^2] MULTIPOLYGON (((130.2391 33...
9    412091   嬉野市 126651789 [m^2] MULTIPOLYGON (((130.0445 33...
10   412104   神埼市 124073252 [m^2] MULTIPOLYGON (((130.3511 33...

ここでは、mutate関数を使って、データフレームに新しい変数列areaを追加しています。 また、面積を計算すると、なぜか行の順番が入れ替わってしまうので、 arrange関数を使って、自治体コード順に並べ替えています。

この結果によると、佐賀市の面積が433.12㎢になりました。 しかし、佐賀市ウェブサイトを見ると、佐賀市の面積は431.82㎢となっています。近い値ではありますが、少し違いますね。 なぜこのような違いがあるのでしょうか? それには様々な理由が考えられます。 まず、国土地理院が面積計算に使っている地図と、今回利用した佐賀県オープンデータのGeoJSONとでは、そもそも地図の精度が大きく異なります。 もう1つは、面積計算に使用したデータが緯度経度なので、球面の表面積を計算していることも影響していると思われます。

そこで次に、緯度経度ではなく、平面直角座標系に変換してから、面積を計算してみます。 佐賀県の場合は、平面直角座標II系(JGD2011のEPSGコード:6670)なので、 st_transform関数を使って、座標変換します。

saga_pr <- saga |> st_transform(6670) 
saga_pr |> mutate(area = st_area(saga_pr)) |> arrange(KEY_CODE)
Simple feature collection with 20 features and 12 fields
Geometry type: MULTIPOLYGON
Dimension:     XY
Bounding box:  xmin: -117268.6 ymin: -5213.545 xmax: -42584.04 ymax: 69215.3
Projected CRS: JGD2011 / Japan Plane Rectangular CS II
First 10 features:
   KEN_NAME GST_NAME CSS_NAME KEY_CODE 人口総数 市区町村    男    女 世帯総数
1    佐賀県   佐賀市     <NA>   412015   236372   佐賀市 111453 124919    93306
2    佐賀県   唐津市     <NA>   412023   122785   唐津市  57547  65238    43872
3    佐賀県   鳥栖市     <NA>   412031    72902   鳥栖市  34799  38103    27630
4    佐賀県   多久市     <NA>   412040    19749   多久市   9146  10603     6847
5    佐賀県 伊万里市     <NA>   412058    55238 伊万里市  26395  28843    19698
6    佐賀県   武雄市     <NA>   412066    49062   武雄市  23178  25884    16932
7    佐賀県   鹿島市     <NA>   412074    29684   鹿島市  13920  15764    10124
8    佐賀県   小城市     <NA>   412082    44259   小城市  20823  23436    14769
9    佐賀県   嬉野市     <NA>   412091    27336   嬉野市  12667  14669     9214
10   佐賀県   神埼市     <NA>   412104    31842   神埼市  15172  16670    10913
   平均世帯人員   地区            area                       geometry
1          2.53   中部 432891823 [m^2] MULTIPOLYGON (((-70264.64 2...
2          2.80 北西部 487160675 [m^2] MULTIPOLYGON (((-106350 451...
3          2.64   東部  71386980 [m^2] MULTIPOLYGON (((-47890.53 3...
4          2.88   中部  96670142 [m^2] MULTIPOLYGON (((-76464.8 27...
5          2.80   西部 253940933 [m^2] MULTIPOLYGON (((-92759.15 3...
6          2.90   南部 195555078 [m^2] MULTIPOLYGON (((-95531.54 1...
7          2.93   南部 111113089 [m^2] MULTIPOLYGON (((-82226.11 3...
8          3.00   中部  95164949 [m^2] MULTIPOLYGON (((-70897.76 2...
9          2.97   南部 126591461 [m^2] MULTIPOLYGON (((-89237.11 5...
10         2.92   東部 124006165 [m^2] MULTIPOLYGON (((-60455.97 2...

投影変換後に佐賀市の面積を計算すると、432.89㎢になりました。 少し、正しい値に近づきました。

重心計算

ポリゴンの代表地点を求める方法はいくつかありますが、その1つがポリゴンの重心を求める方法です。 ポリゴンの重心は、幾何学的に計算することができます。 Rではsfパッケージのst_centroid関数を使うと簡単です。

saga_center <- saga |> st_centroid()
Warning: st_centroid assumes attributes are constant over geometries
glimpse(saga_center)
Rows: 20
Columns: 12
$ KEN_NAME     <chr> "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県", "佐賀県…
$ GST_NAME     <chr> "鹿島市", "唐津市", "神埼市", "杵島郡", "多久市", "東松浦…
$ CSS_NAME     <chr> NA, NA, NA, "江北町", NA, "玄海町", "上峰町", "有田町", N…
$ KEY_CODE     <chr> "412074", "412023", "412104", "414247", "412040", "413879…
$ 人口総数     <dbl> 29684, 122785, 31842, 9583, 19749, 5902, 9283, 20148, 729…
$ 市区町村     <chr> "鹿島市", "唐津市", "神埼市", "江北町", "多久市", "玄海町…
$ ` 男`       <dbl> 13920, 57547, 15172, 4497, 9146, 3035, 4379, 9356, 34799,…
$ ` 女`       <dbl> 15764, 65238, 16670, 5086, 10603, 2867, 4904, 10792, 3810…
$ 世帯総数     <dbl> 10124, 43872, 10913, 3225, 6847, 1918, 3260, 6900, 27630,…
$ 平均世帯人員 <dbl> 2.93, 2.80, 2.92, 2.97, 2.88, 3.08, 2.85, 2.92, 2.64, 3.3…
$ 地区         <chr> "南部", "北西部", "東部", "南部", "中部", "北西部", "東部…
$ geometry     <POINT [°]> POINT (130.0937 33.05879), POINT (129.9983 33.41706…
mapview(saga_center)
mapview(saga) + mapview(saga_center)

距離計算

佐賀大学経済学部から、佐賀県20市町それぞれまでの距離を計算してみましょう。

その準備として、佐賀大学経済学部のポイントデータを作成します。1つの地点だけからなる 佐賀大学経済学部の緯度経度は、Googleマップから、 東経130.29383734073度、北緯33.24430876241893です。 これを使って、saga_univというポイントデータを作ります。 ここでは、緯度経度を2次元ベクトルとし、st_pointst_sfcst_sfという関数を使っています。 同時にnameという属性(データ列)を追加し、CRSをWGS84(EPSGコード:4326)に設定しています。

saga_univ_coord <- c(130.29383734073, 33.24430876241893)
saga_univ <- saga_univ_coord |> st_point() |> st_sfc() |> 
  st_sf(name = "佐賀大学経済学部", crs = 4326)

このポイントデータと、先ほど求めた20市町の重心までの距離を計算したいのですが、 そのために、st_transform関数を使って、両方のデータを平面直角座標II系に変換しておきます。

saga_univ_pr <- saga_univ |> st_transform(6670)
saga_center_pr <- saga_center |> st_transform(6670)

距離を計算するのは、sfパッケージのst_distance関数です。

dist <- st_distance(saga_center_pr, saga_univ_pr)
dist
Units: [m]
           [,1]
 [1,] 27783.969
 [2,] 33524.405
 [3,] 12639.410
 [4,] 13023.420
 [5,] 17911.773
 [6,] 47314.904
 [7,] 15251.456
 [8,] 40296.599
 [9,] 23705.388
[10,] 16370.060
[11,] 16327.247
[12,]  9319.201
[13,] 38353.094
[14,] 16705.128
[15,] 28012.090
[16,] 16930.618
[17,] 30824.383
[18,] 30681.831
[19,]  9872.140
[20,] 28435.207

このように、距離が計算されました。 距離を市町重心データの属性データに追加し、距離の近い順に並び替えると、このようになります。

saga_center_pr <- saga_center_pr |> mutate(distance = dist)
saga_center_pr |> arrange(distance)
Simple feature collection with 20 features and 12 fields
Geometry type: POINT
Dimension:     XY
Bounding box:  xmin: -105833.3 ymin: -246.6918 xmax: -45625.42 ymax: 53455.63
Projected CRS: JGD2011 / Japan Plane Rectangular CS II
First 10 features:
   KEN_NAME GST_NAME   CSS_NAME KEY_CODE 人口総数   市区町村    男    女
1    佐賀県   佐賀市       <NA>   412015   236372     佐賀市 111453 124919
2    佐賀県   小城市       <NA>   412082    44259     小城市  20823  23436
3    佐賀県   神埼市       <NA>   412104    31842     神埼市  15172  16670
4    佐賀県   杵島郡     江北町   414247     9583     江北町   4497   5086
5    佐賀県 三養基郡     上峰町   413453     9283     上峰町   4379   4904
6    佐賀県   神埼郡 吉野ヶ里町   413275    16411 吉野ヶ里町   8136   8275
7    佐賀県   杵島郡     白石町   414255    23941     白石町  11133  12808
8    佐賀県 三養基郡   みやき町   413461    25278   みやき町  11969  13309
9    佐賀県   杵島郡     大町町   414239     6777     大町町   3077   3700
10   佐賀県   多久市       <NA>   412040    19749     多久市   9146  10603
   世帯総数 平均世帯人員 地区      distance                   geometry
1     93306         2.53 中部  9319.201 [m]  POINT (-68409.1 36262.97)
2     14769         3.00 中部  9872.140 [m] POINT (-74852.01 31265.61)
3     10913         2.92 東部 12639.410 [m] POINT (-60356.97 38720.16)
4      3225         2.97 南部 13023.420 [m] POINT (-78542.48 24602.02)
5      3260         2.85 東部 15251.456 [m] POINT (-53802.76 36725.61)
6      5891         2.79 東部 16327.247 [m]  POINT (-56164.94 40492.8)
7      7253         3.30 南部 16370.060 [m] POINT (-79661.09 18598.32)
8      8638         2.93 東部 16705.128 [m] POINT (-51811.93 36439.83)
9      2560         2.65 南部 16930.618 [m] POINT (-82494.95 24471.78)
10     6847         2.88 中部 17911.773 [m]  POINT (-83334.02 30997.1)

佐賀大学経済学部からの距離で色分けした20市町の重心位置を地図にしてみます。

mapview(saga_center_pr, zcol = "distance") +
  mapview(saga_univ_pr, col.regions = "red")

大学からの距離が近い自治体の色が濃くなっているのが分かります (佐賀市のポリゴン重心は佐賀市中心部よりも北に寄っていることも分かりますね)。