空間情報システム #11

Geospatial Information System

田村一軌

佐賀大学経済学部

2025年12月18日

ファシリテーション

今日の内容

  • 来週、高校生向けのワークショップを実施します。
    • みなさんにはファシリテーター役を担ってもらいます。
  • 今日の講義は、
    • 「最適な宅配ピザ店の立地を考える時間」ではありません。
    • 「jSTAT MAPの操作方法を学ぶ時間」でもありません。
  • 人の話し合いを支える役割」を体験ロールプレイしてもらいます。

ファシリテーターとは

Q. ファシリテーターは「何をする人」だと思いますか?

  • 実は、ファシリテーターは、「何をしない人か」理解することが重要です。
  • 正解を教えない
  • 決定を奪わない
  • 急いでまとめようとしない
  • 今日の講義では、「教えたくなる」「決めたくなる」「まとめたくなる」自分を発見して欲しいと思っています。

正解を教えない

  • 高校生:「この店、家族向けでいいんじゃない?」
  • あなた:「データ的には単身世帯が多いから、そっちの方が合理的だよ」

⚠️親切に見えますが、これは良いファシリテーションとは言えません⚠️

  • 高校生の「考える仕事」を奪っているからです。
    • 教えてしまわず、考えを深めるよう促しましょう。
  • 「家族向けにすると、どんなメリットがありそう?」
  • 「単身世帯が多いと、何が不利になると思う?」

決定を奪わない

  • 高校生:「…」(意見が割れて、話が止まる)
  • あなた:「じゃあ、間を取ってこれで行こう」

⚠️これは一見「まとめ役」ですが、実は「決定者」です。⚠️

  • その瞬間に、「決めた人」は高校生ではなく、あなたになります。
    • 高校生に決めさせるよう努めましょう。
  • 「今、何で2つに分かれてるんだと思う?」
  • 「こっちを選ぶと、何を捨てることになる?」

全員の思考を可視化する

  • ファシリテーターがやっていいことは、「今、何が起きているかを言葉にすること」です。
  • 「今出てるのは、安さ重視、ボリューム重視、ちょっと高いけど特別感、この3つかな」
  • 「今、無難に行きたい人と尖らせたい人に分かれてる気がする」
  • 「今の話、お店の方向性の話と、具体的なメニューの話が混ざってるかも」

議論の広がりをコントロールする

  • 「今は広げる時間」「今は決める時間」を明確にしよう。

付箋(ポストイット)の使い方

  • キーワードを大きく書く

付箋(ポストイット)の使い方

  • 並び替えて意見を整理する

ロールプレイ

ロールプレイ

  • ファシリテーター:1名
  • 高校生役:5名
  • 観察者:6名
  • 15分でピザ屋のコンセプトを決定してください。
  • これを2セットやります。

まとめ

まとめ:ファシリテーターとは

  • “分からせる人”ではなく、“分かろうとするのを支える人”
  • 教えるより「質問する(考えさせる)」「要約する・整理する・可視化する」
  • 役割のイメージは、司会者というより、
    • 交通整理員、管制官(議論の流れをスムーズにする)
    • グラフィックレコーダー(グラレコ:議論を可視化する)
    • 場のデザイナー(議論をうながす、引き出す)