空間情報システム
Geospatial Information System
2025-10-02
今日の内容
- 講義概要(10分)
- 空間情報システムとは何か?(10分)
- 緯度経度とGPS(10分)
- 緯度から地球の大きさを見積もる(45分)
- まとめ(15分)
講義概要(シラバスから)
- この講義では、空間情報とその活用法について学ぶ。
- 空間情報は、我々の暮らしを支える社会基盤のひとつであり、特に社会課題の発見とその解決への調査・分析に活用することが期待されている。
- 近年活発に開発されている各種のウェブアプリを活用することで、空間情報を用いた地域分析の基礎を短期間で身につける。
開講意図(シラバスから)
- この講義の目的は、空間情報を地域分析に応用する力を養うことである。
- この講義では、空間情報を扱うための基礎知識を習得するとともに、それを地域の分析に応用するための手法を学ぶ。
- さらにファシリテーション演習において、身につけた知識をアウトプットすることによって、より深い理解と知識の定着を図る。
到達目標(シラバスから)
- 空間情報の内容を読み取り、理解することができる。
- 分析ソフト等を利用して、空間情報を適切に処理することができる。
- 空間情報を用いた都市や地域の分析を行うことができる。
履修上の注意
- 講義には各自ノートPCを持参する必要がある。
- 12回および13回の演習は12月26日(金)に行う。
- 成績評価のため、12回および13回の演習には、必ず参加すること。
空間情報システムとは何か?
“Geospatial Information System”→GIS
“Geographic Information System”→GIS
- 地理情報あるいは空間情報を、コンピュータ上で作成・保存・利用・管理・表示するシステム
- 身の回りにある物体の位置関係を、コンピュータ上に再現する
- デジタル地図(ウェブ地図):Googleマップなど
空間情報システムとは何か?
- 紙の地図をどのように作成するか
- 物体の位置関係を、どのようにコンピュータ上で表現するか
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空間情報システムとは何か?
- \(x\)座標と\(y\)座標で、平面上の一点を特定することができる
- 紙の地図に載っている情報は、コンピュータ上ではすべて座標で表現
空間情報システムとは何か?
- デジタル地図のメリット
- 管理(情報の更新)・保存
- 拡大・縮小表示
- 検索(施設探索・経路探索)
- 計測(距離や面積)・集計
- 情報の重ね合わせ
空間情報システムとは何か?
空間情報システムとは、
- 緯度と経度(と高度)の数値データによって、
- 地球上のあらゆる物体(地物)の位置情報をデジタル化することで、
- 情報の検索や集計、重ね合わせを可能にしたもの。
→GoogleマップなどのWeb地図も空間情報システム
緯度経度とGPS
- 緯度経度はどのように決まる?
- 私たちが今いる場所の緯度経度は?
緯度経度とGPS
緯度経度とGPS
- 地球上のすべての地点は、緯度と経度を使って一意に(ユニークに)表すことができる
- 経度は東経西経それぞれ0〜180度
- 緯度は北緯南緯それぞれ0〜90度
緯度経度とGPS
緯度経度とGPS
- GPS(Global Positioning System)
- 数機の人工衛星(GPS衛星)からの信号を(スマートフォン等)のGPS受信機で受け取り、受信者が自身の現在位置を知るシステム
緯度経度とGPS
- GPS衛星の位置と受信機までの距離(信号が届くまでの時間×速度)
- 原理的には、3つの衛星からの信号が受信できれば、受信機の緯度経度が分かる(受信機の時計に誤差があるので、正確な時刻を求めるために4機目GPS衛星の情報が必要)
緯度経度とGPS
- スマートフォンにはGPS信号を受信するためのチップが組み込まれている
- スマホはGPS受信機になる(現在位置の緯度経度が分かる)
- iPhoneを持っている人はコンパスアプリを起動してみよう
地球の大きさを見積もる
- エラトステネス(紀元前230年ごろ/エジプト)による方法
- シエネでは夏至の日に陽光が井戸の底まで届く
- シエネの北900 kmの地点にあるアレキサンドリアで夏至の日の南中高度を計測
地球の大きさを見積もる
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令和2年度第1回高等学校卒業程度認定試験問題(地学基礎)
地球の大きさを見積もる
- 2地点の南中時の太陽高度の差=2地点の緯度差
- 緯度差(7.2°)と距離(900 km)から、地球の周長を計算
\[ \frac{7.2}{360} = \frac{900}{x} \] \[ x = 900 \times \frac{360}{7.2} = 900 \times 50 = 45000\]
地球の大きさを見積もる
- 本庄キャンパスの中で経度が等しい2地点を選び地図に記入
- 選んだ2地点の緯度・経度をスマホを利用し計測
- 選んだ2地点の間の距離を地図上で定規を使って計測
- 計測した緯度差と距離から地球の大きさ(全周)を計算
エラトステネスよりも精度良く地球の全周を推計できましたか?
地球の大きさを見積もる
- 緯度経度は各自のスマートフォンで確認
- プリントに掲載されたQRコードからWebページにアクセス
- 「緯度経度の誤差」が5mに近いなら、かなり高精度で計測できいる
- 空が広く見える場所(建物から離れた場所)の方が良さそう